エレファントカシマシ23rdアルバム「WAKE UP」。
間違いなく、今のエレファントカシマシがここにある。
シンプルで力強いメッセージ、そしてやさしさ。
まずは、自分自身の幸福を祈ろう。そして始めよう。
目覚めよ、今日を自由気ままに。「WAKE UP」!
今アルバムは、力強さみなぎるタイトル曲「Wake Up」からはじまります。
幕を開けるぅぅ!
(そして相変わらず外国の大物バンドのようなたしかな演奏です・・・。)
このアルバムで、宮本さんはすごく自由で、もう「自由気まま」です。
なんか、「MASTERPIECE」~「RAINBOW」期のころの、ていねいにやさしく歌う歌い方も、やめちゃってる?
でも「ていねい」の上、「自由気まま」に到達しているんです。
なんというか、遊び心まんてんの歌い方をするようになってて。
また、一方でこの「WAKE UP」には、すごい、まぎれもなき「どっしり感」があります。
宮本さんが、じっくりと腰をすえて、落ちつきはらって曲作りをしているのが感じられます。
なんか、確信に満ちみちた感じですよ。
今に「根ざす」ということ。
「WAKE UP」を聴いてると、「根ざす」ということを、この言葉をすごい思い浮かべさせられるんだけど。
今のエレファントカシマシは、宮本さんは、はすごい確固としたものに根差しているような。
それがたぶん、この〈今〉、〈今この時間(とき)〉ということなのでしょう。
そういえば「MASTERPIECE」くらいから、もうエレファントカシマシの作品を過去の作品と比較して捉えることができなくなってたんです。
かつての「悪魔のささやき」くらいまでのアルバムは、それまでの作品の、あるところは残しつつ、別のところを発展させてきてました・・・。
しかし、「MASTERPIECE」からは、その残してたところ、〈軸〉となるものが無くなってたんです。
で、アレ?と、思ってたんですが。
でも結局それは、〈軸〉を過去に置いてたわけで。それが今は軸を〈今〉にしているわけです。
だから、「悪魔のささやき」が過去の作品と結びついていたのとは逆に、今の作品は、過去のどの作品とも結びつかず、過去のどの時代からも自由なのです。
今のエレカシ、五角形満たしてる説。
牛乳かけたコーンフレークじゃないけど、今のエレカシは完全なる五角形のかたちになってるからね。
「WAKE UP」を聴いて思うのが、全ての項目で勝負ができる!
(考えてみたよ、5項目!)
1.今の新しい感覚を取り入れてる感。
→これにより、エレカシしか聴かずとも、今の音楽についていけてる感覚を得られる。
(これは「MASTERPIECE」以降の、音の高級感によるところが大きいかと。)
2.ちゃんと自分たちの初期のアイデンティティを出せてる感。
→今も、あの愛おしい、未だ一度も勝ててない少年感がある。
1stアルバムのころの、ツェッペリンっぽい感じがある。「RESTART」なんかは、「フィジカル グラフィティ」期のツェッペリンみたい。まだ初期衝動が生きてる。
3.この上なくやさしいバラードでさえ力強さ出せてる感。
4.表現する感情、気分の幅広さ。
→素朴で親しみやすい詩なのに曲調、作風が様々。
もちろん、今までになかったような曲調、作風、ジャンルに挑戦し、しかもちゃんと成功しているからいえること。
「神様俺を」が、レゲエの曲調にチャレンジしてるのは有名。
5.大作志向、シングル志向のすごさ。
→前作「RAINBOW」は、先行シングル曲が強すぎたかもだが、「WAKE UP」は、アルバム発売とともに収録されたアルバム曲が、シングルと同じくらい完成された大作です。
「自由」「神様俺を」「旅立ちの朝」「いつもの顔で」「オレを生きる」など、シングル曲と並び立つスケールなのです。
これはおそらくどの曲も、曲の展開、盛り上がりがすごいからなのでしょう。
(「WAKE UP」はエレカシ流「モーニング グローリー」と勝手に思ってたりしてます・・・。)
まとめ。
「WAKE UP」は獲得のアルバムです。
エレカシは、これらの曲をつくるというより、獲得しているという表現のほうがしっくりきます。
RPGの洞窟にある宝箱の宝を獲得するように、「Wake Up」を、「風と共に」を、「Easy Go」を、獲得した。
なんか宮本さんは、年齢を重ねた今のほうがスキルアップ度が高くなってる気がします。
というのも、過去にとらわれない分、今までの自分のとは違う土俵で戦ってる感じで。
それゆえきっと経験値が多いのでしょう。
そしてこれが以降のソロ活動につながっていくのです。
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