へい、待たせたな。
エレファントカシマシ、2015年11月発表、22ndアルバム「RAINBOW」。
2012年に、宮本さん、突然難聴をわずらったことで、バンド活動が休止してました。
そこからの感動の復活を経て、3年半ぶりとなるアルバムです。
もう、回復のアルバムともいえますね・・・。
ファンの思い出のアルバム、「RAINBOW」。
「RAINBOW」というアルバムの本質はなんなのか。どう見る?
というと、ズバリこの作品はファンにとって思い出のアルバムだ、ということになる。
なんじゃらほい。
これまでも、これからも、エレカシはエレカシはずっと作品を発表していくだろうが、たぶん思い出のアルバムは、というと「RAINBOW」!
だって、シンプルな話、エレカシはバンドとしてはベスト!だからで、あとは作品を待ったかどうかしかないじゃん。
復活もなにもエレカシは常時最高のものをつくっていたわけであります。
待たなくてもそのときの新作を聴けばよかった・・・。
でも、このときだけは「待った」のです。
そう、「RAINBOW」には、ファンの思い出が(思い入れも)いっぱいあるのだ。
ファンはこの間、シングルをアルバムかのように待っていた。
「あなたへ」は、ファンにとってはニューアルバムが出たに匹敵するよろこびだった!
「Destiny」はドラマの曲に使われ、「愛すべき今日」はランキング9位になった。
「RAINBOW」は、アルバム3枚分にも4枚分にも感じられるのだ。
「RAINBOW」は発売日からファンにとって「思い出のアルバム」となる運命だった。
宮本、声変わりする。「愛すべき今日」。
エレカシとしてはずいぶん間が開いてしまい、広い期間からの曲を集めてあるため、アルバム全体の統一感はうすい。(よね?)
が、一曲一曲がまんべんなくバラついており、独特なので、逆にバランスが取れているという・・・。
「ズレてる方がいい」が、特に難聴を患う前の曲で、曲感もほぼ「悪魔のささやき」のモードである(この曲は収録されないかなとも思っていた)のだが。
じつは復活後のシングル「あなたへ」「Destiny」「愛すべき今日」という、3曲のモードすら互いにかなり違ってます。
今までも、エレカシの曲作り、アルバム作成の手法・思考というのは、変化していったんですが、この「RAINBOW」期は、その変化がとにかく速い。
か、加速度的に変化している。
で、「愛すべき今日」・・・。
とんでもない傑作。「レインボウ」「TEKUMAKUMAYAKON」がなかったら、今アルバムのハイライトであったろう(バラードなのに)キラーチューン。
出だしのまるで少年期のような宮本さんの声が!これ宮本さんが歌ってるの?ってなったくらいの。
これね、宮本さん、病気をきっかけにタバコをやめて声が変わったとはよく言われてます。
タバコを吸ってたころの「ズレてる方がいい」が入ってるから、違いがよく分かる・・・。
ちょっと高潔な声になったよね。
武士が、騎士になったかのよう・・・。
「シナリオーどーおーりーさー♪」。
「RAINBOW」期から、シングル曲の重みが増していますよね・・・。
なんというか、いい曲ができた、さあシングルにしよう、というだけでなく。
このころはシングルを出すタイミングや、曲感も、世間の中でのエレカシのイメージを意図的に演出しながら出していたと思うんです。
宮本さん復活(*´▽`*)→「あなたへ」→「RAINBOW」発表の期間、自分のできる範囲で、テレビの出演番組を全部調べて録画し、楽しみにしていました。
「あなたへ」「Destiny」はよく披露されたし、「愛すべき今日」は関ジャニの番組で披露され、関ジャニともバラエティ的に絡んだりして。
「愛すべき今日」はチャートで9位になり、「今宵の月のように」以来、久し振りにトップ10にランクインしました。
で、アルバム発売の際、これでもかというほどテレビで「レインボウ」を披露したんです。
「スッキリ」でもやったし、「LOVE MUSIC」登場の際には、沢田研二の「時の過ぎゆくままに」のカバーと、「レインボウ」の2曲をやったのでした。
2曲のあまりの表現のギャップに司会者が驚いてて。
この辺のカバー曲の選択すらも、計算だったのでしょう・・・。
エレカシは、宮本さんは、このころから密かに自己プロデュースして、タイアップだけでなく、どういう曲をどのタイミングでシングルにして、いつアルバムを・・・と、逆算して。
で、テレビやラジオに出ていたに違いない、うん。
「RAINBOW」期から、売り上げの数字以上に、エレファントカシマシ、宮本、という名前が世間で存在感を増し、あらためて認知されていきました。
ユニバーサルに移籍してからメジャー路線になったエレカシ、売り上げも10位台とかでなく、今やまじで1位を狙うつもりなのだよ!
まとめ
「RAINBOW」には、宮本さんの難聴、そしてそこからの回復と関係する曲もあります。
実際「なからん」「シナリオどおり」「永遠の旅人」は、きわめて個人的な、プライベートな、正直な内容の曲です。
これらは病気のこと、回復のこと、復帰のことを率直に書いていて、比喩とかですらないだろうし・・・。
そして「雨の日も風の日も」において宮本さんは、おだやかながらも熱く、未来に向けた決意表明をしているのです。
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