「アフターライフ」だから「死後の世界」のお話であるか。
カメ
この作品もスティーヴン・キング短編集「マイル81」に収録されている。
作品の前書きでキングは、死んだらどうなる?という昔からの問いを思い出しておる。
カメ
死後の世界というより、前書きだけ読むと今作は〈来世〉について焦点が当てられているようだな。
キングいわく、死んだあとには二者択一。そこにはなにかがあるのか、それともなにもないのか。
カメ
なにかがあるとすれば、ひとはそれについて色々な可能性を考えてきたが、もう一度人生をうまくやり直すことができたら、という可能性を考えたときにある男の死後の生(アフターライフ)を語ることになった。
スティーヴン・キング短編「アフターライフ」。
これはなかなか斬新な死後の世界であった。
カメ
前書きでキングは、死後の世界の可能性の中で輪廻転生、すなわち生まれ変わりが世間で一番人気だと考えている。
この短編で面白いのは死後の世界がどうこうだ、という仮定の決めつけではなくて死後の世界の2パターンが接触し、それぞれを経験する2人の人間が対話をする、というところにあるんだろうな。
カメ
これは発想は宇宙というしかあるまい。
生まれ変わり組の人間と煉獄組の人間が、互いのしてきた経験を知り合い、責めるような状況になるわけである。おそらく死後の世界や臨死体験を扱った創作の中でもかなり攻めた作品である。
カメ
こういうのを読むとキングはやはり厭世主義なんだろうな。
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