スティーヴン・キング短編「プレミアム・ハーモニー」ですよう。
20ページくらいの話だから嬉しいな。短い方が嬉しいなあ。
まずキング自身による前書きを読むと、作家における、他の作家の作品を読むことで自作にその文体や思考の影響を受けるのかということがなんか暗示されておる。
これどうなんだろうな。ちょっと話がずれるかもしれないが、例えばある作家が好きで、その作家が別の作家、たとえば先輩の作家に影響を受けたと知ったとき、その先輩作家の作品までさかのぼって読むものかな?
その作家が特に影響を受けてて、有名な人なら読むかもしれん。なお短かったら。
スティーヴン・キング「プレミアム・ハーモニー」。
レイモンド・カーヴァーという作家は「アメリカの負け犬たち」を愛したとキングが序文でいっているが、作品冒頭からの描写はキングにとっても得意とする世界だろうけどな。
主人公の男の名もレイなのか。ただのレイこれ。
経済的に苦しい人々の車内での会話である。「ハーマン・ウォーク」でもこんな感じの人たちが描かれているところがあった。リアルすぎて読んでてしんどいほどである。
「プレミアム・ハーモニー」は無印のタバコの銘柄ということになっているが、もちろん作品を通してのテーマの象徴にもなってるな。皮肉ってあるが。
この作品がレイモンド・カーヴァーの影響があるとキングがいっている。レイモンド・カーヴァーの作品は知らないけど、なんとなくこういう作風なんだろうなあ、と想像はつくなこれ読むと。
キング作品を読み続けていると、違いの部分が浮かび上がってくるからな。「負け犬たち」の世界観に加え、この展開のクセもそうなんだろうなあ。
なお、レイモンド・カーヴァーを読んでいる人がいて、違っていたらすまんかった。
最初の状況も、悲劇的な展開となる最後も、主人公の主観意識にちょっと笑いの要素があるな。これがおそらく序文にある、キングによって見出されたユーモアなんだろうな。
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