今回も視聴したイーストウッド映画のレビューをしていくよ。
作品タイトル「目撃」。イーストウッド1997年の作品。
イーストウッド映画を観て初見であれ、久々に見返したのであれ、気づいたことや学びがあれば書き残していきます。
結末のネタバレにならないよう、物語が佳境にはいってきたなと感じたところで考察を止めますが、できれば1度本作を見てから読んでいただきたいです。
イーストウッド、主演・監督作品「目撃」で泥棒を演じる。
ある泥棒が忍び込んだ家で、大統領の殺人を目撃したことから、国家権力に追われるというサスペンス映画、とwikiの説明にはあるぞ。
今作ではなかなか知的な役柄かな?イーストウッド、眼鏡をかけておる。眼鏡もまた似合っておる。
ふむ。絵を描いておるな。
うむ。今回は絵描きの役だな。
なお絵をやっているが、本職は盗賊である。ルーサー=ホイットマン。
うわぁ。画面、今の絵づらだなぁ。
でもやっぱりこれくらい製作時期があとになってからのほうが見やすいな。
しばらく古いイーストウッド映画ばかり見てたけど、やっぱり慣れ親しんでるのはこれくらいの、2000年代くらいの作品なんだよなぁ。
まあ正確には1997年の作品だが。
イーストウッドがすでにおじいちゃんになっておる。
この映画、絵面が本当に神がかっておる。すごく洗練されていて、もう撮影がトム・スターンに代わったあとかと思ったが、まだこれジャック・N・グリーンのときなんだな。
たしかに。画面で暗いところはとことん暗いし。「許されざる者」の室内のシーンのあの暗さと同じだな。
やはりジャック・N・グリーン、偉大である。ブルース・サーティースとはまた違っているが、この人も暗さ、闇を描くのが上手いんだなぁ。闇の貴公子きたこれ。
うむ。見やすいなぁ。「ブラッドワーク」とか「トゥルークライム」とかこの「目撃」とか、イーストウッド映画では小ぶりな作品だと思うけど、サスペンスとかのバランスがちょうどよくてすごい楽しいんだよなぁ。
わかる。「ザ・イーストウッドバランスのよい3作」である。
難しくなくて安心するぞぉ。
年に似合わずハイテクを駆使して大きな屋敷に忍び込むイーストウッド。
なお、現実ではイーストウッド本人の自宅もこれに負けてない模様。
忍び込んだ屋敷で懐中電灯の光に鏡にうつった自分を見るのとか、ちょっと怖いよなぁ。
なお、その鏡の裏にものすごい財宝があったという。
いやこれ王様の家かよ。まじで財宝なんだが?
まあ政府の超大物となるとこんなものなのかな。でも悪いことはしてそうなんだよな。
悪役はジーン・ハックマン演ずる大統領。
そしてリトル・ビルきたこれ。
おおお。ジーン・ハックマンが出ておるぞ。
いいよなぁ。この人はほんとにいい。
なお、今作ではかなりいけてない役をやらされておる。ジーン・ハックマンこれめちゃくちゃヨゴレではないか。良かったのかこれ。
まあ贅沢なキャスティングではある。
「許されざる者」で助演男優賞を獲った縁でまたイーストウッド映画にきてくれたのかな。
ふむ。前作ほどの深みや複雑性はない役だけどな。
別にええやないか。ジーン・ハックマンやぞ。
盗賊業をいとなむイーストウッドを善側に描くためにそうとう悪にされてるよなぁ。
エド・ハリス演じるフランク刑事。
今作でもイーストウッド、また娘とうまくいってない感じである。
このパターン多いけど、辛いよなぁ。まあ父親が泥棒だというのは辛いが。それで家族をないがしろにしてきたというのもよくある。
もう一人重要人物がでてきたなぁ。
エド・ハリス演ずる捜査官である。セス・フランク刑事。なかなか存在感があるな。
やっぱりこの頃の作品だと脇役もかっこいいのがいいよなぁ。古い頃のイーストウッド作品ってイーストウッド以外がぺらっぺらだから。
ライバルや憎まれ役もマンガのキャラみたいで確かかっこよくないんだよぉ。
「許されざる者」はジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリスとかが出ててみんな役者としてはイーストウッドより格上だからな。それで成功していたし。
あれで自作に自分以外の名優を出すことに吹っ切れたのだろうか。
以降、名優を主役に据えたうえで自身は監督に専念することが増えた気もするし、ありえるなぁ。
これ見てたらエド・ハリス演じるフランク刑事が一番好きかもしれん。
確かに好感がもてる。作中純粋にまっとうなのはこの人だけかもなぁ。
この作品、全体的に渋い中年男が多いな。
うむ。それが今作を重厚な印象にしておる。
だいたいみんな髪がはげかけているから誰が誰かをしっかり把握しておかないとだぞ。
イーストウッドは実力派俳優を起用しだす際、この点で自身と差別化をはかったんだろうなぁ。
それにしても、こういう追う者と追われる者との会話はいいよなぁ。
「ヒート」とかが有名だが。
今作のイーストウッドとフランク刑事の朝飯を食べながらの対話もウィットがきいてていいぞぉ。
父と娘の待ち合わせ。そして緊迫の狙撃。
イーストウッド、心配なのかもしれないが娘のアパートにまで忍び込むのはよいのかな?
心配してのことだからセーフやぞ。
作中でルーサー(イーストウッド)が外国に高跳びしようとして、空港のテレビで大統領の会見の映像を見る、ここがストーリーの分岐点だよな。
確かに。大統領がのうのうと善人ぶって嘘をいってるのにムカついておる。これで決心を変えて復讐に出るわけよ。
なお、大統領周辺では事情を知るまわりのシークレットサービスたちも複雑な表情である。
復讐というかルーサー、逃げないと言っておる。いいぞぉ。
シークレットサービス内でももめ始めてきておる。
面白くなってきたぞぉ。そして一方娘のアパートである。冷蔵庫の中身を調べてたのはうすうすばれていた模様。
それにしても、フランク刑事熱い男だなぁ。
うむ。この男がこちらについてくれてるのは心強いな。
なお、黒人のシークレットサービスが実はめちゃめちゃ射撃がうまかったという急な設定よ。
だがルーサーもウナギのように逃げるのが上手いんやぞ。ていうかこれはデンゼル・ワシントンなのでは?
似ていなくはないな。
なんかデニス・ヘイスバートという人で、デンゼル・ワシントンの代打役をつとめて有名になったらしいぞ。
だがすでに有名な売れっ子に似ているというのもつらいかもなぁ。
福山雅治と福山雅治のモノマネの人みたいな関係になるぞきっと。
なお、物語りは急にサスペンスフルになっていっとります。ついにルーサー、シークレットサービスに命を狙われるではないか。
ジャッカルの日みたいだなこれ。
やっぱこういうのって射撃する場所についてからライフル組み立てるものなんだな。シークレットサービスならそこまでこそこそしてなくていいような気もするが。
今回は殺しをしようとしてるんだぞ。正規ではないからライフルは通常の暗殺者のように隠して運ぶんじゃなかろうか。
むむむ。なるほど。
これ結局あれだな。ルーサーが変装したら娘でも判らないから、待ち合わせに呼んでルーサーの方から出てきてもらうということだな。
確かに。そういう作戦である。
これうまいなぁ。あわただしくなる中、ルーサーが脱ぎ捨てた服が落ちてて、そこから警官に化けたルーサーの背中が映っていくシーンはうまいよなぁ。
工夫された漫画のコマ割りのようである。こういう感じに指示するのって監督なのか撮影者なのか編集なのかどうなってるんだろうな。
けっこう細かい指示いってるよな。
これイーストウッド演じるルーサーって中盤あんまり出てこないけど、ところどころでやっぱりやり手なとこ見せてるんだよな。
ケイトとフランク刑事がルーサーの居所について考えてる部屋にすでにもう来てて飲食物置いてくれてたとか、カッコよすぎるよなぁ。これ追われてる身なんやぞ。
そして、首飾りのプレゼントとともにルーサーの復讐が始まる模様。
だんだんこのシークレットサービスの女がかわいく思えてきたぞぉ。
おばはんやないか。
騙されてるのにノリノリになっているな。
やっぱりこういうのもらったら嬉しいんだろうか。
大統領からだしな。騙されてるとはいえ。
ていうかパーティーばっかりしてるがええんか?
そしてなんか久しぶりの登場ジーン・ハックマン大統領。
おお、そうであった。意外と作中長い間出てなかったりする。
このダンスのシーンいいな。
おもろ。
このくだりだけ見るとこのグロリアという女ちょっとかわいそうだなぁ。
そして結末は・・・。
もうすぐ結末なのでこのあたりで考察はストップします。
クリント・イーストウッド監督・主演作品「目撃」。
今思うとけっこうイーストウッド作品では異色作なのかもしれない。
イーストウッド演じるルーサーなんだが、けっこう裏方にまわってる感じだなんだよなぁ。
原題は「ABSOLUTE POWER」といって、「絶対的な力」みたいな意味だから、これは敵である大統領という権力のことであってると思うけど。
うむ。
結末も、意味ルーサーは主体的に動きながらも最後は他人に委ねた、という感じがある。
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