じいさんばあさんの話で取っつきにくいかと思ったが、なかなか名作であった。
カメ
S・キング短編集「夏の雷鳴」より「ミスター・ヤミー」。
うおおお。ミスター・ヤミー。オリーとオルガの名前が似ていてちょっと紛らわしいぞぉ。
カメ
人生の終わりが近い老人たちのお話であるが、なかなか雰囲気は明るい。よくできた幻想小説である。
金持ちの老人が入所できる高級老人ホームのお話であるな。
「ミスター・ヤミー」。
これ、あとがきでこの短編集には老人を主人公にした作品がある、となっておるが、たとえば「ハーマン・ウォーク」とかのじいさんばあさんよりこの「ミスター・ヤミー」の老人たちのほうが好きなんだよな。
カメ
言わんとしていることは解る。
カメ
老人たちにおける恋愛話がテーマであるが、「ハーマン・ウォーク」は現在もロマンスを抱こうとしていた感がある。この「ミスター・ヤミー」は過去に向かうロマンスである。
しかもなかなか生々しい。「ミスター・ヤミー」とはなんだろうな。同性愛者だろうが異性愛者だろうが関係ない、今までに見た自分の一番の恋愛の推しのことなのかぁ。
カメ
この場合は、その人の名前すら知らなくても問題ない。というか憧れて手に入らなかった存在なんだろうなぁ。
今作のこの、人生の終わり、死が近づいてきたときに、生涯の情欲の対象がそれを知らせに来てくれるというのは面白い考えである。
カメ
これで自分はあれを思い出したなぁ。ボルヘスの「恵みの夜」だっただろうか。あの作品も愛と死が人生における二つの肝心事、と言っていたと思うが。
「ミスター・ヤミー」はたしかに正直なストーリーだと思うんだよなぁ。役者あとがきにもあるが、自分の人生の終わりの合図がこれであればなぁ。
本気で言うんだが、今作はまじで泣くに値する感動の物語だと思うぞぉ。
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