なんとここにきて、ジーン・ハックマンが目撃されておるぞ。
うおおお。マジかぁ。
ネットニュースで確認できたな。2023年3月9日のフロントロウ編集部の記事で、数年ぶりに写真を撮られておる。
これは嬉しい。
定期的にジーン・ハックマンについてはネット検索しているが、これは嬉しい。
だいぶ痩せちゃってて少しびっくりだな。
確かに、これは言われないと気づかないかもしれん。
記事によると、自宅のあるニューメキシコ州サンタフェで、ウェンズデーというハンバーガーチェーン店でドライブスルーしていたところを撮られたらしい。
御年93歳これ。
自分で運転してきてハンバーガーを買い、そのまま駐車場で食べて帰ったらしい。
ふむ。
その後はガソリンスタンドへ行き、セルフで給油した後売店でコーヒーを買っていた模様。
めっちゃつけられてるやないか。
まあ記事の内容はここまでだが。伝説の俳優の姿が久しぶりに見られ、元気そうにしてたということでなによりである。
ちょうど「目撃」を見直して記事にしてたところにこのニュースが来たからなにかの縁かもしれん。
個人的にジーン・ハックマンブームが来ている模様。
何を言うか、つねに来ているぞ。
イーストウッドとジーン・ハックマン。
とはいえ、実はイーストウッドとジーン・ハックマンが組んだ映画って2本しかないんだよなぁ。
「許されざる者」と「目撃」だけで。
もっと作っておいて欲しかったよなぁ。
この2人はどっちが年上なんだぁ?たぶん同い年くらいの感じだが。
イーストウッドが1930年5月31日生まれで、ジーン・ハックマンが1930年1月30日生まれとなっておる。だから4か月くらいジーン・ハックマンが早く生まれておる。
ほぼいっしょだなぁ。学年は違うのかなぁ?
なお、自動車免許の講習はいっしょに受けてた模様。
「許されざる者」鬼保安官リトル・ビル・ダゲット。
言うまでもなく、「許されざる者」ではジーン・ハックマンがめちゃくちゃ重要な仕事をしておる。
イーストウッドは「アウトロー」でレオーネ的な西部劇からの脱却を成し遂げたと言われてるらしい(「クリント・イーストウッドFILMMAKERS」より)。
「アウトロー」についてはイーストウッド自身一番好きな作品だと言ったこともある。
で、その「アウトロー」、次の西部劇「ペイルライダー」、ラストウエスタン「許されざる者」。
この3つの西部劇作品で「許されざる者」の評価が圧倒的なのは、登場人物の心理描写の繊細さと、キャラクターの造形の深さであると思われる。
「許されざる者」を見た後では、すげぇ味わい深いと思ってた「アウトロー」と「ペイルライダー」が子供っぽく感じられてしまうほどである。
「許されざる者」は勧善懲悪ではないからな。
で、勧善懲悪ではないとはどういうことなのかな?いいやつがやられっぱなしになって救われずに終わってしまうということかぁ?
いや、思うんだが、勧善懲悪でないとは、作り手が意味をはっきりさせないで、物語の意味はおのおの自分で考えろということなんだろうな。
だからわかりやすい悪人とか善人とかは存在せず、演じる俳優も一面的ではない複雑な性格を体現していないといけない。
同じひとりの人物が、作品の中で他人を傷つけることもあれば、助けることもあるとかかな?
いやたぶんもう少し進んでるな。行動までいかなくともなにげない普段の有り様で、観客にとって、気に食わないところもあれば、憎めない同情もしてしまうような気持ちにさせられたりしてしまうんだよな。
そしてジーン・ハックマンはこのなにげない有り様がうまいのだよなぁ。
これはセリフとかを超えた、ハックマン本人のあの顔、あの声、もっといえばあの背の高さとかハゲてるとことか、たぶん全部込みでそうなっておる。だから才能なんだよなぁ。
この人、ルックスがいいんだよなぁ。
おお今思い出した。ジーン・ハックマンをほんと最初に見たときの印象で、なんかこの人ギリシャとかローマ時代の賢者の彫刻みたいな顔だなぁと思ったんだった。
アメリカ人だけどヨーロピアンな感じかな?
わかりやすいハンサムでは絶対、絶対ないんだけど、カッコいい顔のときはめちゃくちゃカッコいいのだよ。
二枚目から三枚目まで、浮浪者から大統領まで演じられる俳優と評されておるな。たしかにどちらの領域にも当てはまる風貌をしておる。
この点でジーン・ハックマンはチートなんだよなぁ。
「目撃」アラン・リッチモンド大統領(なお脱線)。
「目撃」かぁ。「目撃」いくかぁ?
「目撃」だけの記事を最近書いたからなぁ。もういいかもなぁ。
ジーン・ハックマンって暴力的な作風を好まなくなって、「許されざる者」もイーストウッドに説得されて出演したらしいけど、「許されざる者」でも「目撃」でもかなりサディスティックなキャラクターを演じているんだよな。
どっちなんだ一体?
わからぬ。
あとジーン・ハックマンはタフガイと言われているが、そういう肉体的な質とは別に、この人はすごい内面的なところがある。
イーストウッドが自分の代表作となるとわかっていた「許されざる者」で、作中自分に匹敵する存在としてジーン・ハックマンを敵役に選んだ。
最近なんでジーン・ハックマンが「許されざる者」の仇役に選ばれたのか分かった様な気がするのだ。
イーストウッドが「許されざる者」を本当に成功させるには、敵役に主人公である自分と同じかそれ以上の悩み、葛藤を抱えた俳優が必要だった。
主人公である自分だけが悲しみを背負っている、というのはズルいというのは解る。
思うに名作にするためには、主人公より敵役に悲しい人生を設定しておくほうが良いとみえる。
それがストーリーを複雑なものとし、単なる勧善懲悪もので終わらないコツなのかな?
そしてそれはストーリーを通じて悲しみを追わせるのではなく、スクリーンの一瞬一瞬がそうできていれば最高である。
イーストウッドが「許されざる者」で仇役リトル・ビルをジーン・ハックマンにした理由をちょっと勝手に考えてみたぞぉ。
まず、①オスカー俳優であること。
で、②長身であること。
③第一線で継続的に活躍していること。
④悲劇的な作品や、作中で辛い運命を経験していること。
おおお。わかる気がするぞぉ。確かにジーン・ハックマンに当てはまっているな。
なお、勝手な想像にすぎない模様。
なんでだよぉ。
なんでこういうふうに思ったかというと、「許されざる者」初見のころはジーン・ハックマンってほとんど知らない俳優だったんだよなぁ。
「荒野の用心棒」のイーストウッドが大好きで、同じく大好きなモーガン・フリーマンも出てるのになんでライバルの役がこんなはげたおっさんなのかなと思っていた模様。
だがそのあとジーン・ハックマンの作品をたくさん見たのだが、このおっさんめちゃくちゃかっこいい俳優であった。
で、特にアメリカ人とかって絶対「フレンチコネクション」とか「ポセイドンアドベンチャー」とか見てるんだよなぁ。
「カンバセーション…盗聴」もあるしなあ。
おお。つまりあの悲しみや辛く切ない主人公の葛藤を知っているのだな。
もちろんひとつひとつの作品は独立したものだけど、映画を観るときに、過去に見た出演作のその俳優の印象や運命ってやっぱり潜在的に作用しているんだよなぁ。
だから④の「悲劇的な作品や、作中で辛い運命を経験していること」
おお。つまり悲しい役柄を演じてきた経歴がイーストウッドがに選ばれた決め手だったわけかな?
イーストウッドが作中で強く打ち負かされ、また打ち負かす相手であるからこそ、その役には悲しみを背負った役柄を演じてきたハックマンのことを思いついたんじゃないかなあ。
これなかなか深い考察なのではないか?
そういう映画の進化の歴史もあったら嬉しいな。
ジーン・ハックマンよぉ、いつまでも元気でいてくれよなぁ。
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